肥育場から馬事学院へ到着
馬たちの安堵

引退馬支援団体 Retouch「リタッチ」

Retouch(リタッチ)とは?

皆さま、はじめまして・・・

地方競馬で馬主をしながら引退馬保護活動をしております、林由真(はやし・よしまさ)と申します。私の自己紹介を兼ねて、Retouch(リタッチ)設立の経緯をお伝えさせていただきます。

一般的には「馬主が引退馬保護活動をしている」そう聞いても特に気にならない人も多いと思います。しかし、私のような存在は馬の世界では非常に少ないのと思います。まだまだ実績も少なく、取り組み自体もなかなか認知度が上がらない中でなんとか活動を続けてこられたのも、私にとってかけがえのない2頭の馬と出会えたおかげです。

その馬たちの名前はアサクサポイントとフロリダパンサーといいます。特に、フロリダパンサーはレース中に大怪我をし、その場にいた関係者全員から「絶対に助からないから諦めろ」と言われ、殺処分の一歩手前までいきました。しかし「何とか助けてあげてほしい!」という、私の思いを受け止めてくださった方々との奇跡の出会いによって、フロリダパンサーは見事復活しました。

フロリダパンサー号
2019年2月7日の笠松競馬、1番人気の中でのレース中の事故。(競走中止)腱の断裂により、安楽死を決断しなければならないほどの大けが、その後奇跡的にも命がつながる。現在は、馬事学院で過ごしています。

アサクサポイント号
2019年1月30日の川崎競馬を最後に、足の故障により引退。引退後、休養するも回復せず。プロリダパンサーのつながりで、馬事学院に入厩後、ただちに緊急手術を判断。現在は、回復し元気に乗馬として活躍しています。

このことをきっかけに「諦めなければ助けられる命もある」ということを知り、本格的な引退馬への保護活動を始めました。当初、全国を直接探し回っても全く情報は得られず、インターネットを使って馬を保護してくれる人達や協力してくれると言う方々と出会いましたが、その多くは最初の頃のような良好な関係を続けることができず、色々なトラブルや運営上の問題にもぶつかるとその度に歩みが止まってしまい・・・そんなケースが暫く続いて、私は保護活動を辞めることも考えました。

しかし、唯一心残りだったのが「肥育場」という存在でした。ある方に紹介していただき、足を踏み入れた場所で見たのは、消えかかっている馬達の命でした。肥育場で過ごす馬達が工場(屠殺場)に連れて行かれるタイミングは不規則です。業者から注文が入ったり、直接買い付けに来たりした時点で、馬は屠殺場へと運ばれるそうです。そのため、肥育場で過ごす馬達は「明日は生きられないかもしれない」という境遇の中で日々生活を強いられることになります。

「あそこで暮らす馬を1頭でも保護してから保護活動をやめよう」

と思い、色々と行動をしたのですが、肥育場から馬を助け出すということには様々な問題がありました。まずは、引き受けてくれる人はおらず、当初は1頭も助け出すことはできませんでした・・・。

自分の限界を思い知り、悔いなく保護活動から離れることを決めた矢先、たまたま馬事学院の代表の野口学校長から「林さん、引退馬保護をテーマにした雑誌(ウマライフ)の取材があるのですが、協力してもらえませんか?」との連絡をいただきました。
その時には「今後はアサクサポイントとフロリダパンサーに会いに行くだけにしよう」と考えていたので、最後の締めくくりとしては一区切りがつく機会だと思いお受けしました。そして、その取材が終わった後に、野口学校長に今までの経緯を話しました。すると「肥育場から馬を保護することを全面的に協力してくれる」と言うのです。それからは野口学校長が全面バックアップの元、すぐにクラウドファンディングを行い、集まった支援金で肥育場から馬を保護し、馬事学院でリトレーニングをしてから乗馬クラブや観光牧場や個人オーナーへと繋げることで、殺処分される寸前の馬を助けるという形が決まりました。

クラウドファンディングでは想像していた以上に多くの賛同者様からご支援頂いた額が集まったことで14頭を保護できることになり「本当に思い残すことはなくなった」という達成感に包まれました。すると、野口学長から「今後もこの活動を一緒に続けて、1頭でも多くの馬を助けていきませんか?」と声をかけられました。

私は、、、

「馬を助けることを続けられる」

そう思った瞬間「ぜひ!!」と即答していました。そして、立ち上げたのが、Retouch(リタッチ)なのです。

Retouchには、「再び手を差し伸べる」という思いと意味合いが詰まっています。

私のような無名の一般人の活動に、どれだけの方が賛同してくれるのか不安でしたが、立ち上げから半年ほどで会員数は150名を突破しました。それほどまでに馬を愛し、馬を助けたいという気持ちを持っている方々がいたことに感動しました。ただ、私の考えとしては「保護活動は良いですよ。楽しいですよ」と良い場面ばかりを伝えるのではなく、辛い現実も伝えることで、聞いた人が自分なりに解釈をして保護活動に参加してもらいたいと思っています。人に言われて続けているのでは、何かあった時にすぐに離れることになります。

しかし、自分で考え、自分で答えを出し、自分なりの保護活動をすることで、長く続けることができます。それが結果として1頭でも多くの馬を保護できることに繋がると私は信じています。「〇〇は大きい団体だから」「〇〇さんは有名な人だから」など、どんな理由でも保護活動に参加してくれる人が増えるのは良いことだと思います。しかし、私はリタッチを大きくしたいのではなく、長く一緒に続けられる仲間とともに活動をしていきたいと思っています。それは、今まで私が一人で続けていた保護活動によって、心から信頼していた人達とも様々な事情で離別し、その度に苦渋の思いをして来た経験があるからです。なので、私は信頼してくれる人を利用するようなことをしてまで、保護活動をするつもりはありません。

それがクラウドファンディングやリタッチにも賛同してくださっている方への「誠意」だと思っています。

自己紹介にしては長くなりましたが、私としては簡潔にリタッチ発足の経緯や自分の考えなども書かせていただきました。私は普段は人とのコミュニケーションが苦手ですが、馬のことを話せる人とは積極的に話をしたいと思っています。代表という肩書にはなっていますが、メンバーの皆様とも個別でお話をすることもしたいですし、色々なご意見をいただいて「みんなが楽しいと思える保護活動」をしていきたいと思っています。

これからも馬を愛する方々との出会いや繋がりを大切に活動し続けていきますので、温かく見守ってください。よろしくお願い致します。

Retouchリタッチ
代表 林由真

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