新たに2頭を肥育場より救いました!
栗毛ちゃんが繋いでくれたご縁なのかもしれません・・・
Retouchメンバーの皆さん、いつもご支援・サポートを頂きまして誠にありがとうございます。令和6年11月19日、Retouch16頭目・17頭目の馬として、新たに肥育場から2頭を連れてくることができました。
先日、肥育場から馬を連れてくるときに、入退厩時の騒然となる厩舎の雰囲気や、それに伴う馬の精神状況からみて、やむを得ずその子の輸送を断念せざるを得ない状況で、1頭の栗毛を肥育場に残してきてしまいました。(当時は、この栗毛に代わり別の馬を引き取り)それ以降、すごく気になっていたので、11月18日に再度、まだ肥育場の厩舎に在厩していること強く願い迎えに行きました。
しかし、残念ながら、すでにこの栗毛ちゃんは「退厩」してしまっていました。私の力不足で手を届けられそうな子を救いきれなかったことを大変残念に思います。当時、その栗毛ちゃんの代わりにやってきたのが「めめちゃん(13頭目の子)」でもありました。この栗毛ちゃんの分まで「めめちゃん」に精一杯生きてほしいのは、もちろん。今まで13頭~15頭を、このRetouch(リタッチ)に連れてくる過程の中で、残念ながら私が対面してそのまま肥育場に残してきた馬の数は、実に100頭は超えます。その子たちの分まで、この子たちの生きる権利を存分に発揮させてあげたい!そう願っています。そして、その思いは皆様と一緒です。
前回より、日々、さらにRetouchのメンバー様の増加、そしてYouTubeでの収益化が本格化されたこと、そして単発での個人支援も多くの方にご協力して頂いたこともあり、今回はその支援金からさらに2頭の引き取りが可能となりました。まさに、この栗毛ちゃんがつないでくれたご縁でもあると思っております。
1頭は、馬房から顔を出して寄り添ってきた子。この子も現役時代はとても大切にされていた感がします。すごく人懐っこい鹿毛の牝馬(女の子)です。馬体の確認を行い、特に異常が見受けられませんでしたが、皮膚に汚れがかさぶたみたいにこびり付いていてしまっています。これらは、数日かけて洗い流せば何とかなると思います。
もう1頭は、その向かい側にいた栗毛の牡馬(男の子)です。その男の子の隣には、小さなポニーが3頭いました。隣り合わせで、まるでポニーたちの番頭をしているような感じで、ずっと見守っていたような感じです。ポニーといっても観光地で見かけるような、おとなしくてフワフワした感じのポニーではなく、あまり人慣れしておらずとてもワイルドな3頭のポニーという感じが印象的でした。
この栗毛は、馬体もがっちりしていてアルミの競走馬用鉄を履き、まだ蹄も伸びていなかったこと、前回はここにいなかったことから考えると、最近まで競馬場で走っていた馬なのかもしれません。2頭とも、穏やかそうな感じでした。そして、今回はこの2頭を引き取ることにしました。前回よりも、明らかに馬の頭数が増えており、広めの馬房は2頭分に仕切られており、そのうえでほぼ満杯だったので、単純に前回より2倍近くの馬がここに収容されていました。
それぞれ2頭の馬体検査を行って、特に大きな問題はなさそうでした。その後、馬運車に積み込み大阪府にある馬の養老牧場「ホースレスト」まで、長時間かけて輸送いたしました。このホースレストにも常時、千葉県にある馬の学校 東関東馬事高等学院より高校生たちがインターンシップに出向いている関係で、肥育場からやってきた馬たちのお世話やケアを、スタッフ管理下の中で行います。生と死の分かれ目、そこを運よく生き抜いてきたこの馬たちに、高校生たちも必死なってケア・サポートしてくれました。
まずは、放牧です。馬たちからすると、どこに行くのだろうと挙動不審になりながらも初めての放牧場まで、ひきうまで向かいます。そこで、緑に囲まれた放牧場に開放します。馬たちは、とても元気よく走り回ったり、寝転んだり、鳴いたり、跳ねたり・・・と、自由な時間を過ごしています。その後、体のケアをしながら馬体の洗浄です。一気にきれいにするのではなく徐々に皮膚をふやかし、数日かけて汚れを取り除いていきます。馬体をお湯で流していくとドロドロの水が排水溝に流れていきます。馬たちは本当に気持ちよさそうにしているあの顔がたまりませんね~。
生徒たちも馬に話しかけながら、ゆっくり手入れしてくれます。この時点では、まだ名前が決まっていないのですが、大体、ここでの表情から生徒たちが自然に名前を呼んでいることもあります。手入れが終わるころ、このホースレストに獣医さんが来てくれて、最終的な馬体チェックと、この子たちには、健康手帳(生まれてきてこれまでの予防接種歴や、血統、馬名、出生地、移動経路の記載)がないため、接種を行って新しく新規に健康手帳を作成します。馬名(本名)や、年齢もわからないままですが、新しい名前をつけての人生再出発です。
まだまだ、お伝えしたいことはたくさんありますが、この2頭も、12月22日に千葉で開催するRetouch見学会&懇談会(13頭)にも加われるよう、タイミングを見て千葉に輸送します。是非、メンバーの皆様は、12月22日に開催いたしますRetouch(リタッチ)見学&懇談会にご参加くださいますようお待ちしています。
こうして1頭1頭と、皆様の支援金・ご協力をもとに確実にその命が救われています。今日は、まだ緊張した様子ではありますが、これらが安心に変わったときに、この子たちは体調を崩しやすい傾向にあります。これまでの緊張感から解放されたタイミングで、熱を出したり逆に瘦せてしまったり、なのでこの子たちには、心身ともにしばらくの休養期間が必要であり、その中で徐々に人との信頼関係をも再構築していきます。
この子たちの第二の出発の記念日「令和6年11月19日」となりますね!
支援者の皆様、応戦・サポーターの皆様、そして関係者の皆様、生徒たちも本当にありがとうございます。
令和6年11月19日
Retouch(リタッチ)代表 野口 佳槻