◆Retouch(リタッチ)8頭目の受け入れについて
令和6年8月12日 公開記事
Retouch(リタッチ)のご支援いただいている皆様、そしていつも応援して頂いている皆様、本当にありがとうございます。Retouch(リタッチ)代表の野口佳槻です。
夏から秋にかけては、見切りを付けられて競走馬として引退を強いられてしまう引退馬は増加している傾向にあるようで、肥育場で過ごす馬の数も前回同様に満タン状態ではありました。その中でも1頭でも救いたい!という気持ちと、常に予算的な面も考えなければならない!という両方から、1つ1つを決断していく必要があります。救っても救っても、次から次へと新しい馬が肥育場にはやってきます。当然、それがいっぱいになると肥えた馬から屠殺場(肉加工場)へと送り出されてしまいます。それが現実です。
現在、Retouch「リタッチ」で管理している馬は、千葉県にある東関東馬事高等学院という馬の学校で、●Retouch(1番目)のパヴォーネ号、●(2番目)ハル号、●(3番目)ケン号、●(4番目)エル号の4頭が日々とても元気に過ごしています。この子たちは、既に乗馬の調教もどんどん進めており、その高校生たちと一緒に管理、面倒を見させて頂いています。その様子は、時々YouTubeなどに投稿しておりますので、チャンネル登録がまだお済出ない方は"チャンネル登録はコチラ"より登録をお願いいたします。
さて、先日は、新たに2頭の(5番目)のハオ号。(6番目)のノア号以外にも、あらに新しく(7番目)の子"只今、お名前選定中"を受け入れることができました。本当に、本当に皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。
今現在、大阪府の河内長野市にある養老牧場「ホースレスト」に在厩している3頭は、9月中旬ごろを目安に千葉県の東関東馬事高等学院に連れて来て、スタッフたちの管理下のもとで高校生たちと一緒に乗馬の世界に向けてのリトレーニング(再調教)を行っていきます。Retouch(リタッチ)の馬たちが、千葉県に集合しましたら、メンバーの皆様をご招待させて頂きます。このRetouch(リタッチ)の馬たちとのご対面、ふれあい体験などを是非楽しんで頂けたらと思います。是非、お楽しみください。※詳細・日程の予定が出ましたら最新情報でお伝えいたします。
さて、そのような中、また1つ新しいご報告があります。
今現在は、当団体Retouch(リタッチ)のYouTubeは、総再生数の不足から"今はまだ、収益化されておりません"が、これは皆様のご協力を頂いている中で、単純に時間の問題でクリアーされます。一方で、肥育場で過ごしている馬たちには時間がありません。したがって、今後のユーチューブの収益化ならびに、Retouchメンバーさんの増加の見込みから8頭目の受け入れを決断いたしました。今後しばらくの間は、9頭目以降の受け入れには少し時間が必要かもしれませんが、この8頭目の子を含み、Retouch(リタッチ)としてこの子たちの乗馬へのリトレーニングに集中していく一方で、その日々の成長の様子は、YouTubeまたはTwitter・そしてこのサイトでも随時公開し支援者様の増加を目指し9頭目以降の受け入れにも積極的に取り組んでいきたいと考えていますので、どうか引き続き、よろしくお願いいたします。
肥育場で過ごしていた時の様子はこんな感じです。何度も、ここで過ごしている馬をみても「なぜ?この子たちはこんな馬生を歩まなければならないのか?」という気持ちがいつも頭をよぎります。競走馬の引退馬の問題は、様々な意見や考え方が存在する難しいことは理解しています。しかし「7000頭の頂点!!」と盛り上がる競馬というエンターテーメントの裏側には、間もなく命が亡くなることを受け入れるこの子たちの存在もまた事実として知ってほしい。そのように思います。
私がこの肥育場に時々やってくる理由の1つは、馬を引き取りに来る…という目的。そしてもう1つが、やむを得ず"屠殺へと送られてしまう馬たち"に向き合って、見て、触って、話しかけて、そこで馬たちから伝わってきたことや感じたことなどを、Retouchのメンバーの皆様と共有していくきっかけになっているのも事実です。そして、そのRetouchのメンバーさんにより一人でも多くの方にこのRetouchの存在を広めて頂き、この世を強制的に去ることになる馬たちの声を、少しでも広げて頂ければと思います。そして、近い将来、その声が広がり競馬を運営する大きな組織がもっともっと、この子たちの存在にまで目を向けて、手を差しのべてくれる日を願っています。この子たちは事実救えませんでした。撮影時は、7月上旬ごろでしたが、もうこの子たちは肥育場に姿はありませんでした。
毎年約7000頭のサラブレッドの命が誕生し、5歳で競馬を引退しその後25年間最期まで命を全うしたとします。(繁殖・種馬・乗馬に進む馬の数も含めて考えています)すると、年間100万円(月8万円程度)の管理費で考え、引退馬全頭を維持管理すると、年間100万円×20期生分(6歳~25歳までの馬)×7000頭で、年間あたり約1400億円の管理費となります。
令和4年度のJRAと地方競馬の馬券売り上げ約4兆2千億円を考えると、そこからの1400億円という数字は、馬券売り上げの実に3%という計算が出るものだと私は思います。それぞれの馬券の3%が引退馬支援に使われていることで、馬券売り上げ自体が3%以上増えれば、もっと馬の魅力、競馬の魅力が広がっていくのかな・・・?と思ったりもします。乗馬として活躍する馬にも、年間100万円の支給があれば、その分、乗馬の料金ももっと抑えられ、乗馬人口が増える!乗馬クラブにおいても、引退したサラブレットを起用することで、その管理費は助成金や補助金で賄いきれるなら、もっと全国に乗馬クラブが増える・・・!そんな妄想が頭をよぎったりもします。
ちなみに、私の試算ではありますが、その14万頭を収容できる場所(仮に1頭あたり300坪の放牧場「田んぼ1面分」)を仮定してみると、計140平方キロメートルの敷地面積が必要となることがわかりました。その大きさは、私どもの拠点がある千葉県山武市全体の面積(147平方キロメートル)程度となります。1つの市町村クラスの大きさの面接が必要という事になりますね~。
それでは、8頭目の子についてご紹介します!
この子も、当初の2頭を私たちが肥育場から連れてきたときには、厩舎の隅っこにいました。むくち(馬の顔についているバンド)が外れていたので、つけてあげようと近づいていきましたが、その時は逃げてしまってなかなか馬房の中で捕まえることができませんでした。その印象があったのですが、今回素直に馬運車にも乗り無事に大阪のホースレストに到着しました。
ホースレストに到着すると、放牧を行いました。放牧後は洗い場で全身を洗い、蹄なども整えてしばらくはリラックスしてもらえる放牧生活を続けます。肥育場にやってくる馬は、健康手帳(母子手帳のような存在)や血統書は、存在しない状態で引き取りますので、血統も競走馬時代の時の名前も、年齢も、生産地もわかりません。私たちが知り得るのは、目の前にある"生体"のみです。ですので、この子たちには新たに予防接種などを実施し新しく健康手帳を作成します。これまでの競走馬の名前はもう終わりです。これからは、新しい名前で人生を再出発していくためです。本来は、もう既にこの世から亡くなってしまっていたであろう"命"。
何はともあれ、そこから繋がったこの子たちの人生…。今後は、しばらくの間は、Retouch(リタッチ)の皆様のサポートにおいて、この子の乗馬としての再出発を目指せるようリトレーニングを実施していきます。そして、乗馬の世界でしっかり評価され、大切にして頂ける乗馬クラブさんや個人オーナーさんのもとに届けられることを強く願います。今日はひとまずRetouch(リタッチ)8頭目の子の受け入れの報告でした。この子の幸せな未来に向けて、私たちもしっかりと取り組んで参ります。
令和6年8月12日
Retouch(リタッチ)代表 野口 佳槻
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